

年末の静けさが、心にしみる季節
年末が近づくと、どうしてこんなにも静けさが深くなるのだろう。
気温が下がり、空気が重たくなると、家の中まで冬が入り込んでくるような気がする。日が短いせいか、一日があっという間に終わってしまい、気がつけば夕方の暗さに心が追い付かないこともある。
外を歩いても、人に会うことがほとんど無い。
ただ雪が降る音だけが、サラサラと耳に残る。そんな時、ふと胸の奥が静かになり過ぎて、少し寂しさが顔を出す。
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昔の年末は、こんなに静かじゃなかった
思い返すと、子どもの頃の年末は賑やかだった。
近所からは餅をつく音、掃除の音、親戚の笑い声。どの家も人が出入りして、寒さよりも温かさのほうが勝っていた気がする。
幼なじみと走り回った納屋も、今では静まり返って、風の音しか聞こえない。
あの頃の賑やかさと比べると、今の暮らしはまるで別の世界みたいだ。
でも、その賑やかさを知っているからこそ、今の静けさが少し寂しく感じるのかもしれない。
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家族の顔が浮かぶ、年末という時間
年末の静けさが強くなるにつれて、どうしても家族のことを思い出す。
離れて暮らす子どもたち、孫たち。会いたい気持ちはずっとあるし、年末は特にその思いが強くなる。
すぐに会える距離じゃないし、今は自分の生活を整えることが第一だと思っている。でも、心の中で「元気でいるかな」と考える時間が増えるのが、この季節だ。
会えないからこそ、思い出だけがそっと寄り添ってくる。
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人に会わない生活は、悪いことばかりじゃない
誰とも会わずに一日が終わることもある。
そんな日は「今日は自分はちゃんと生きたかな」なんて考えてしまう。
でも、家の中は暖かい。
古くても、この家はずっと自分を守ってくれている。幼い頃から安心できる場所で、ここにいると心がすっと落ち着く。
寂しさがある生活だけれど、静けさの中でゆっくり自分と向き合える時間でもある。
静かな年末を、ゆっくり受け止めながら
外ではまた雪が降り始め、冬の気配が近づいている。
賑やかさは無くても、年末には年末の味わいがある。昔を思い出したり、今を見つめたりしながら、静かな時間をゆっくり過ごしていく。
来年は、もっと良い年にしたい。
会いたい人に会って、自分の生活も整えていく。そんな思いを胸に、今日も一日を静かに閉じていく。


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